Knights of the Round
「本当かい?」

間髪入れずベディヴェールが問い掛ける。

「『敢えて配慮せず問い掛けた』んじゃないのかい?」

「……」

紅い瞳が、ベディヴェールの顔を見た。

銀の短髪を靡かせ、ベディヴェールもまたそれを受け止める。

ケイ同様、ベディヴェールもモルドレッドも、ランスロットとグェネヴィアの不義の恋については薄々感付いていた。

モルドレッドが息子の事について質問したのは、それとなく責めているのだ。

子供がいる身でありながら、アーサーの王妃に手を出すとは何事かと。

それとも。

「ランスロットの弱みを握ってどうにかする…って線もアリか?」

「……考え過ぎだろう」

ベディヴェールの更なる追及に一瞥すらくれず、モルドレッドは王宮の廊下を歩いて行く。

(…薄気味悪い奴)

モルドレッドの背中を、ベディヴェールは睨み付ける。

冷静で生真面目。

確かにそうかもしれない。

だがケイと同じくベディヴェールもまた、モルドレッドに良い印象は抱いていなかった。

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