Knights of the Round
とはいえ、腕は立ってもまだまだ若者。

先輩騎士達の緊迫したやり取りには怖気づく。

「騎士が覗き見とは名が泣くぜ?」

「だから覗き見だなどと…」

歩み出てきたパーシヴァルの肩を、ベディヴェールはグイと摑んだ。

「さっきのやり取りは他言無用だぜ?ま、一部の連中は知ってると思うがな?」

「そ、そうなのですか?」

ベディヴェールの言葉に驚くパーシヴァル。

「ああ。勘のいいケイ辺りはとっくにご承知だろうよ。だが、我らが陛下は頼りになるお方だが鈍い所もあるからな…特に陛下の耳には入れないようにな」

激しい戦を共にした円卓の騎士であり、武勇でも騎士道を守る心でも、円卓の騎士の中で並ぶ者がないランスロットが、王妃に不義の恋をしていると知るとどう思うか。

盤石である円卓の騎士団に亀裂を生じさせる必要もあるまい。

アーサーの耳に入れる事なく、事を収束させなければ。

ベディヴェールはそう考えていた。

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