Knights of the Round
円卓、血に濡れて
原野を、一頭の馬が駆ける。

ランスロットの駆る白馬だった。

キャメロット城から単身脱出し、ここまで逃げおおせたランスロット。

しかし一刻の猶予もなく、王国からの追討部隊がやって来るだろう。

騎士王アーサーを裏切り、円卓の騎士を裏切り、騎士団長ガウェインの弟達を斬った。

誰がこの所業を許すものか。

必ずやアーサーはランスロットを討ち取りに来る。

王妃グェネヴィアを奪おうとし、己の信頼を蔑ろにした随一の騎士を。

「……」

腰に下げた魔剣アロンダイト、その柄に手をかける。

剣を交える事も辞さない覚悟。

だが心残りは、キャメロット城に残したままにした王妃グェネヴィアの事。

無事でいるだろうか。

本当に火炙りにされてしまうのだろうか。

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