Knights of the Round
「目的?」

グェネヴィアの言葉を、モルドレッドは一笑に付す。

「こんな玉座に腰掛けるだけが、俺の目的だと思うかグェネヴィア」

事もあろうに、彼は王妃を呼び捨てる。

「船で訳もなく流罪になったのも、そんな真似をした王の息子の下にノコノコ帰ってきたのも、あまつさえアーサーに忠誠を誓ったのも、こんな下らん玉座に座る為だけだと、お前はそう思うのか、グェネヴィア」

「ならば何の為です!一体貴方は何をするつもりなのですモルドレッド!」

「何もかも」

声を荒げるグェネヴィアに対し、モルドレッドは紅い瞳を向けた。

「アーサー達は、俺がけしかけたランスロットの討伐に気を取られている。この俺が全てを奪い尽くそうと画策しているとは夢にも思わずにな」

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