Knights of the Round
「全てを…奪い取る…ですって?」

「そうとも」

モルドレッドは立ち上がり、グェネヴィアに歩み寄る。

「一番の忠臣、玉座、平穏な日常、王妃、命、そしてゆくゆくはキャメロット王国そのものまでも。俺は全てを奪い尽くす。このブリタニアに、騎士王アーサーと円卓の騎士、そしてキャメロット王国という国が存在した痕跡さえも残さぬほどに、何もかも全て奪い、略奪し尽くす」

グェネヴィアの前でそう語るモルドレッドの紅い瞳には、野心と憎悪の炎が燃え滾っていた。

「復讐ですか?流罪にしたアーサー達王族への」

「王族への復讐?フン」

グェネヴィアの言葉をまたも鼻で笑うモルドレッド。

「平和な国で箱入りで育てられた王妃様は、何とまぁ寝惚けた事を仰る」

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