Knights of the Round
「ガラハッド」

マーリンはガラハッドの顔を見る。

「貴公に、このユダの席に座る勇気がおありか?新たに円卓の騎士として名を連ねる者…その者は、騎士の勇気と武勲を示さなければならぬ」

「……」

マーリン、アーサー、そしてユダの席。

順番に視線を向けたガラハッドは。

「笑止」

躊躇いもせず椅子を引き、ユダの席に腰掛けた。

「陛下に忠誠を誓い、円卓の騎士に名を連ねると決めた時から、この命は陛下に預けた。それを呪いで散らされようが、戦場で捨てようが、俺には関係のない事。預けた以上は陛下が好きに使ってくれて構わない」

それが、堕ちた英雄ランスロットの息子、ガラハッドの覚悟。

その覚悟を汲んだように。

「!!」

ユダの席で何かが弾けるような音がし、青白い光がガラハッドの身を包んだ。

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