Knights of the Round
まさか同胞に撲殺される羽目になるとは。

油断していたエッケは、無防備の頭を殴打されてそのまま倒れる。

「窮鼠猫を噛む、だな」

ガラハッドがレーヴァテインの刃を返す。

「あら、大男総身に知恵が回らずって言って頂戴」

ケイも刃を返す。

二人はウルナッハの前後から、渾身の横薙ぎを見舞う!

円卓の騎士二人の斬撃を同時に受け、ウルナッハは鮮血と共に倒れた。

「…考えたな、同士討ちを誘うとは」

レーヴァテインを鞘に納めるガラハッド。

「お前…いや、ガラハッドこそ」

ケイは自身の剣を見ながら言う。

彼女の剣は、ウルナッハの硬い表皮を斬ったせいで刃毀れしていた。

名剣と言われたこの剣でさえこんな有様。

刃毀れ一つしないレーヴァテインと、それを使いこなす担い手のガラハッドの技量に再び感服する。

巨人と鍔迫り合う膂力、聖剣を扱う腕前。

この男は本物だ。

「…ケイ」

ガラハッドはエッケの持っていた愛剣、エッケザックスを拾い上げる。

「剣が駄目になったのならば、これを頂くといい。小人に頑丈に鍛えられ、数々の戦を無傷のまま戦い抜いたという逸品…戦利品は騎士の正当な報酬だ」

「…そうね」

ケイはクスッと笑った。

「有り難く頂戴するわ」

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