【短編】笑顔の行方



「何の話?」




大好きな人の声が聞こえて慌てて振り向くと、竜也が立っていた。



「な、なんも……ない。てか、何よ!」


思わずムキになって答えてしまう。


本当、成長しない自分が情けない。



「何って、ここ、オレの席だし」


「あ……もう、授業始まるんだ……」



わたしは静かにそう呟いて席に戻る。







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