【短編】笑顔の行方
桜のつぼみが膨らみ始めた頃。
わたしの心のなかも膨らみ始めた。
受験が終わってから見かけた一人の男の子。
背は低くて、クリクリっとした目で空を見上げてたかわいらしい横顔……。
小さくてキレイな顔のラインに息を呑む。
しばらくそこで彼を見つめて、時間を忘れてた。
正直、忘れられなかったんだ。
心の奥底でずっと光を放ってた。
それがさらに光を放つように見つけてしまったんだ。
新学期の教室で――。