【短編】笑顔の行方
「え? マジ?」
急に竜也がわたしの肩を掴んで、わたしを引き離した。
冷たい風が体に纏う。
自分から告白しておいて、信じられないという表情の竜也に思わず笑みがこぼれる。
そんな大きく目を見開いて、驚くなんて……。
自信、あったわけじゃなかたんだ?
「何笑ってんの?」
「ごめん……竜也、驚きすぎだよ……」
「ま、まぁ、ダメもとだったから……」
「そうだったんだ?」
ダメもとって思いながらも竜也は好きって言ってくれたんだね。
わたしも竜也にちゃんと伝えなきゃ。