最強ヤンキーとおてんば美少女
「あんたね…」



心の中で言ったつもりがどうやら声に出してたみたいで…



去ろうとした上原さんが振り返ってさっきよりも怖い顔で私を見た



「もういいわ…あんたには時間が必要みたいね。あなた達、やっちゃっていいわよ」



上原さんがそう言うと、後ろにいた子たちが私の腕を掴んできた



「ちょっと…!なにすんのよ!」



彼女たちが私を引っ張っていった所は体育館の倉庫だった



うそ…



これはさすがにないと油断してた…



「離してよ!」



いくら暴れても女3人の力には敵うはずがなく…



ドンッ



「そこで頭冷やすことね。それから…」



上原さんはそう言って私に近づくと…



パンッッ



「いっ…」



「これは私をキレさせたお返しよ。誰かが来るまでここにいることね。まあ、今日は午後から体育ないから部活動の時間まで待つしかないと思うけど」



バタンッ



ガチャガチャ



「蓮くんと奏くんに近づくからこうなるのよ」



そして、上原さんたちは去って行った



はぁ…



まさかここまでするなんて…



叩かれた左ほほも痛むし…



絶対赤くなってるよ…



とりあえず、ケータイで助けを…



「あれ?」



スカートの中を探ってもケータイは見つからない



「うそでしょ…」

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