もう、泣きたくない
わたし
私の人生って、なんでこんなんなんだろう。
なんでこんなに、波乱万丈なんだろう。


私は普通のサラリーマンの父とパートの母、妹が一人の、一見ごく普通の家庭で育った。
お金に困ったことは無い。
でも無愛想な父と過保護な母。気の合わない妹。
仮面家族とは、このことを言うのか。
私は高校卒業まで、ごく普通の人間だと思って生きてきた。高校卒業までは。

高校卒業後、すぐ就職した。勉強嫌いだったし、当時は大学行く子半分、就職する子半分な時代だった。
就職したら、初めて彼氏が出来た。
その後何人もの男性と付き合った。
でも私の独占欲は凄まじく、束縛されることに疲れ果て、何人もの男性は、私の前から姿を消した。

「なんで?」

私には理解出来なかった。
独占欲こそが、愛なんじゃないの?
束縛することが、愛情表現なんじゃないの?
なにがいけないの?
一人にしないで。一人は嫌。

私は、私を求めてきてくれる男性にすぐ依存してしまう、そんな人間だった。
その原因を知るのは、もっとずっとあとの事となる。
それまで、私の苦しみは消えなかった。
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