もう、泣きたくない
はじまり
あれから一週間。
ハローワーク行っても、求人雑誌にチラシをみても、ピンとくる仕事は見つからなかった。
ふと、あの社長の名刺が思い浮かぶ。
「面接だけでも受けてみるか」
当時同棲していた彼氏に相談したら、いいんじゃない?の軽い返事。
私も軽い気持ちで名刺に書かれている会社の番号へ電話してみた。
面接は次の日、だった。
相当人手が足りないのかな。
会社はうちのアパートからすぐ近くだった。
こじんまりした工場。
「ふーん。ここかぁ…」
事務所へ入るなり、眼鏡の地味(以後、眼鏡)な男性がお茶を持ってきた。
えっ面接でお茶?
初めて出されたな…私、客じゃないんだけど…
困惑気味な私の前に社長と眼鏡が座り、履歴書は名前以外全く見ず、
「吉田笑子さん?」
「はい」
「いつから来られますか?」
「お休みはいつが良いですか?」
「勤務時間は何時から何時までが良いですか?」
「何か要望はありますか?」
と、眼鏡の質問責め。
しかも私に頭をペコペコさせ、まるで私の方が面接官のようだ。
なんだか笑えた。
社長は何も言わず、ジッと見てるだけ。
変わった会社…ではなく、変わった人だな…が正しい。
もちろん眼鏡のことである。
私はその場で採用となった。
ハローワーク行っても、求人雑誌にチラシをみても、ピンとくる仕事は見つからなかった。
ふと、あの社長の名刺が思い浮かぶ。
「面接だけでも受けてみるか」
当時同棲していた彼氏に相談したら、いいんじゃない?の軽い返事。
私も軽い気持ちで名刺に書かれている会社の番号へ電話してみた。
面接は次の日、だった。
相当人手が足りないのかな。
会社はうちのアパートからすぐ近くだった。
こじんまりした工場。
「ふーん。ここかぁ…」
事務所へ入るなり、眼鏡の地味(以後、眼鏡)な男性がお茶を持ってきた。
えっ面接でお茶?
初めて出されたな…私、客じゃないんだけど…
困惑気味な私の前に社長と眼鏡が座り、履歴書は名前以外全く見ず、
「吉田笑子さん?」
「はい」
「いつから来られますか?」
「お休みはいつが良いですか?」
「勤務時間は何時から何時までが良いですか?」
「何か要望はありますか?」
と、眼鏡の質問責め。
しかも私に頭をペコペコさせ、まるで私の方が面接官のようだ。
なんだか笑えた。
社長は何も言わず、ジッと見てるだけ。
変わった会社…ではなく、変わった人だな…が正しい。
もちろん眼鏡のことである。
私はその場で採用となった。