幼なじみを好きになって

side 大翔




__おかしい。


午前中は普通だったはずだ。

なのに。



払われた手。

たいして痛くないはずなのに、ピリピリと痺れる感覚が襲う。



__まさか、好きな奴でもできたのか……?

だからさっき、会話に乗ってこなかったのか?

俺に触られそうになって、手を払いのけたのか?



好きな奴以外と、あまり話したくないから。


好きな奴以外に、触られたくないから。



……もしそうだとしたら。


俺がいなかった昼休みと5限のうちに、何かがあったというわけで。


ギリ……。


無意識に手に力が入る。



「……っは」



__どこのどいつか、はっきりさせてもらおーじゃねぇの?


今の俺には、悪魔のような不敵な笑みが顔に張り付いていた。



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