約束
「とりあえず、帰ろうよ」
「そうだね」
あまり深く考えないようにしてくれているのか、奈々は帰る準備をし始めた。
「あ!そうだ、奈々!この前テレビでやってたケーキ屋さん、駅の近くにもできたんだって!行ってみない?」
それを前から言いたくて仕方なかったんだけど、忘れたりしてて中々言えなかったんだよね。
「え、そうなの!?行きたい、今すぐ行こ!」
なんて言ってはしゃぐ奈々は女の私から見ても可愛くて、少し羨ましいと思った。
「そうと決まれば、早く行こっ」
そう言って私は教室の扉まで歩いていったが…………
ドンっ
誰かとぶつかってしまった。
「あわわわわ…。ごめんなさい!怪我はないです………か……」
相手の顔を見ようと思い顔をあげたら、そこには…………
「…………。」
冷たい目で見る諒祐がいた。