BLUE STONE 壱
「ケイちゃんは今からどこ行くの〜?」
未だに手を握られたままそう言ってきた男に
『うーん…決めてないかな?』
と上目遣い気味に言うと
男はさらにニヤニヤさして
「じゃあさ、俺とデートしない?」
そう言ってきた。
心の中で口角を上げた私
もちろんそれに気づくことない
この男は私をイヤラシイ目で見る
『いいよ』
私がそう言うといきなり目を見開く男に
疑問を抱く。
なにこの男…自分から誘ったんじゃないの?
なにこんなモノ珍しそうにして。
私の思ってることがわかったのか
男は未だに目を見開いたまま
「珍しいねー?今時ナンパに
乗ってくる女。なんて思っただけ」
そううすくわらう
悪気はなかったんだと思う
ただ、なんか見下された感じがした。
がそれに気付かれては後々面倒なので
『そう?暇な時は遊ばなきゃね?』
と微笑むと男も微笑み返す。
「じゃ、いこっか」
そう言って 繁華街の危ない道に
混じりそうになった時。
「なにしてんの?」