BLUE STONE 壱
「てか、ほんとにバイクいける?ケイちゃん」
と心配そうに聞いてくるショウシに
私はにっこりと微笑んでみせた。
『うん。バイクだいすき』
だなんて実際バイクも乗ったことのない私が言うことじゃないんだけれど。
そうでもしないとショウシは
歩いて送ってくなんていいそうだったから。
すると、ショウシはまんまと私の言葉を信じたのか嬉しそうにたれ目の目をさらにたれ目にさして「そっか」と言った。
それから私はショウシのバイクの後ろに乗って ショウシの安全運転に身をまかせる。
どこまでも優しいショウシ。
お兄ちゃんがいたらこんなのなのかな?なんて柄にもなくそんなことを考えた。
『あ!ショウシ!そこ右!!』
と見覚えのある道で私の頭は我に返るとショウシに大声で言った。
するとショウシは「了解!」だなんて言って右に曲がる。
そして見えてきた普通のマンション。
『そこだよそこ!』
とマンションを指さすとマンションの入り口まで行ってくれたショウシ。