BLUE STONE 壱






見慣れたマンションに
ほっと安堵のため息をつきながら
もう会うことはないだろうショウシの顔を焼きつくように見た。



「俺の顔になんかついてる?」



と首をかしげたショウシに
私は慌てて視線をそらす。



『もう会うことがないと思う、から
目に焼き付けとこうって思って…』


そういうとショウシは目を見開かせながら


「え?ケイちゃん引っ越すの?」



……え?



ショウシをバッと見上げると
ショウシも驚いてる様子。


あ、あれ。話が噛み合ってない?


『い、いやそうじゃなくって!
ほら!もう ショウシには会うことないでしょ?

会う理由がないんだもん』


徐々に自分の声が小さくなってる気がするのは気のせいなんかじゃなくて


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