BLUE STONE 壱




原因なんてわかっているくせに
なんて酷い男なんだろう。


と下から見上げて睨んでいると


「そんな睨み方したって
怖くもなんともねぇ」


とまた無表情にした後
足を動かし始めた。


……!!



も、もしかしてこんなお姫様抱っこされてる状態で学校なんていかないよね?


相手は 紫苑 烈。
そう一筋縄ではいかない。


ここら一帯で知らない人はいないと、いうそこまで有名な男に
ここらで一帯 悪い意味で有名な私がお姫様抱っこされてるなんて
噂で回ってみなさいよ。


そう考えるだけで顔が青ざめていくのがわかった。


私といることでレツの価値観が下がる。



本能がそう叫んだのだ。








私はレツのたくましい胸板を
トントンと叩いて見せた。


だけど優しくもないレツは
そんなの御構い無しにどんどんと
歩み始めていく。


少し強めに叩いてみると足を
とめて、不機嫌そうな顔で


「……なんだ」


といつかみた冷たい瞳で私を見下ろした



『わ……たしの事はほっといてっ…』



「……」



『わたしと……一緒に、いたら…
レツ、さん…の価値観が……下がるっ』




レツは少し目を見開いた気がしたけど
それは一瞬ですぐに無表情に戻り



「こんな状態なんだから
俺の事より自分の心配しとけ」



『っ……で、も』



嫌なの。どうしようもなく嫌なの。









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