BLUE STONE 壱
「手間掛けさせるブスだな」
『ブッブス言ってんな!』
女に平気でブスってなんなのこいつ‼︎
さっきまで優しかったのに
もう前言撤回!
「そんなけ元気ありゃ大丈夫だな」
と私の頭に大きな手を乗せたレツに
不意にキュンとした私は
次第に顔が真っ赤になっていくのがわかる。
私は昔からすぐに顔に出るタイプらしい。
「なんかあれば連絡してこい華衣」
『……レ、ツ?』
「飛んでってやるよ」
と同時に感じた唇の感触は
紛れもなくレツの物でーー…
『……っ』
今の今までキスなんて数え切れないほどにやってきた
なのに、レツとのキスは今までに比べ物にならないほど夢中になっていて
角度を変えて私の唇を喰らうレツは
まるで…まるで、
餌に飢えた虎みたいでーー……
『……ふっ…んっ』
レツと私の唇も隙間から
私の甘い声が出てしまう
それに対して破廉恥も忘れるくらいに
レツとのキスに夢中になっていた…
どれだけ時間が経っただろうか
レツは満足したように私の唇を離す
そのぬくもりに寂しくなる気持ちに気づかないふりする。
レツはニヤリと笑いながら
「ご馳走様」
なんて余裕な笑みで言ってきた。
この時から…ーー
ううん。この前から…
私の人生は大きく動き出した……