BLUE STONE 壱



『〜うぅ…ありがとうっ』


と涙でぐちゃぐちゃの私を
みて笑うショウシに
私は釣られて微笑む。


あぁ…私、こんな風に笑えるんだ


と少し自分にびっくりする


「そんなに怯えないでケイちゃん」


と頭を撫でてくれるショウシは
何かを企むような笑みが含められていて
そのニヤニヤした視線の先には
ソファーに座りタバコを吸っている
レツの姿が目に入った。


レツはそんなショウシをみて
舌打ちをかますと、
タバコをもみ消し部屋をあとにした


レツを唖然と見ていれば
くすくすと上から聞こえてくる
ショウシの笑い声に
視線をあげた。


そこにはやっぱりショウシが
何かを耐えるように
ニヤニヤと笑っていて


「ケイちゃんって意外と鈍感なんだね」


と意味わからない言葉を
落下させた。


…鈍感?私が?


別に鈍感ではないと思う。
自分がどんな目で
どんな噂を流されてるかなんて
自覚しているつもりだから


だからショウシのいう
鈍感なんだね。には
納得いかなかった。





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