BLUE STONE 壱




部屋から出れば重低音が
流れ、タバコとお酒の
匂いが混じっていた


ー……初めて来た時と全く同じこの世界。


少し身を乗り出して下を
覗いていると
ショウシがいきなり振り返ってきた
その顔はなぜか不安そうで。


…どうしたんだろ?


と首を傾げていると


「なんか言われたら
レツか俺に言ってきて」


と、言ってくる
なんか言われたら…


あぁ、さっきみたいに
女に絡まれたらレツか、ショウシに
言ってきてって事か。


『了解』


と敬礼ポーズをしていうと
ショウシは安堵したように
笑いかけてくれた。


そしてそのまま下へ行くと
いかにも高級なソファーに
座っているレツを見つけた


こんな人がいるのに
レツをすぐ見つけられるのは
やっぱりどの男よりも
どの女よりも
レツが目立ってるからだと思う。


服や髪だってシンプルだけど
レツは独特なオーラがあって。


すぐにこの広いBlue stoneでも
レツだけはみんなと違って見えた


レツを、ずっと見ていると
目を閉じていたレツの目が
いきなり開きショウシといる私を捉えた


綺麗な黒い瞳で切れ目な目。
吸い込まれそうで、そして
なぜか悲しげで…。


まるでレツと視線が絡み合ってる
私とレツは二人の世界に
入っているような不思議な感じに
包まれた。




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