BLUE STONE 壱
申し訳が立たなくて謝ると、レツは一瞬私を捉える。
「いつもそうなわけ?」
突然意味のわからない言葉を言うものだから首を傾げていると
「いつも、そうやって自分の価値観を下げてるのか?」
いつも?自分の価値観?下げてる?
さっき私の言った言葉を思い返してみる
《なんか、ごめんね?
私“なんか”の我儘で巻き込んで》
あぁ、やっと理解できた。
『私に価値観なんてないよ』
平然と言ったつもりだったけど、レツはその言葉に眉を寄せた。
『人の信じ方も、人の愛し方も忘れた
そんな私に価値観なんて要らないの。
ーー不要なの』
この私の異常な言葉にレツはどう思ったのかわからない。
「ーー……人は一人だ」
『っ……』
知ってるよ、そんなこと。
「だけど独りで生きていけねぇ」
ハッとレツを見上げれば遠い目をしながら涼しい顔をしたレツがいる
そんなレツに私は釘付けになって、レツを見つめたままでいた。
あれからレツに家まで送ってもらって、お風呂だけはいってその日は疲れがたまっていたのかすぐに深い眠りについた
レツは確かにいった
「ーー俺が教えてやるよ」
と。