BLUE STONE 壱





俺の地位や名誉、顔だけで近寄ってくる男と女は俺を見れば



ーーー媚を売るか


ーーー怯えるか



のどちらかだった、絶対に


それなのに華衣は違った、明らか他の女とは違った


ショウシに後から聞けばBLUE STONEや風神のことも一切知らなかったという


さすがにそれは俺も目を少し見開くしかなかった


ここら一帯でうんざりするほど広がっている俺らの顔や名前、地位。


それを華衣は知らなかった。
そして何より一番驚いたのは、ショウシが華衣を連れてきたってこと



あー見えて、ショウシは人一倍に人に敏感な奴


だから簡単に人を信用したりしない。
都合のいい時につかって、用済みならばそれは捨てる。


………まぁ、それは俺も例外じゃねぇが。


だけどそんなショウシがあの日、初めて会った女を心配しておまけに電話番号まで教えた。



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