最悪な初恋
フラッシュバック
昨日の買い物楽しかったなぁ♪
まさかの臨時収入もあったから、遊園地の時のお弁当、ちょっと豪華に出来そう!
なんて思いながらウキウキでバイト先に向かった。
『おはようございます!』
…おっつ。元気に挨拶したは良いけど、リュウがいるじゃないか。
つい、昔の事を思い出してしまった。
今でもたまに思い出す。
あの時の悔しさを。
だけど同時に、長野リュウが初恋で、本当に好きだったと実感するんだ。
…情けない。
「どうかした?」
長野リュウの声で現実に引き戻される。
『ううん…。…………別に。着替えて来る。』
そう言ってロッカールームに逃げ込んだ。
私は一体どうしたら良いの?
どうしたいの?
長野リュウは初恋の相手。
だけど私を賭けの対象にした男。
たった300円程度のドリンクバーの為に。
あの時、長野リュウは私に恋愛感情はあった?
一瞬でも好きになってくれなかった?
無意味な考えが頭をよぎる。
顔を上げた私を、鏡の中の格好悪い私が見ていた。
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