最悪な初恋


『お待たせ!次どこ行こっか?』

「お化け屋敷?」

「また定番?」

「良いだろ?」

『もう!早く行こう?』

また喧嘩しそうだし。

お化け屋敷か。小学校以来だから楽しみ♪


『なんだかんだで良い感じだね!』

はしゃぎながら前を歩く二人を見ながらリュウに言った。

「あぁ。お化け屋敷から出たらはぐれるぞ?」

『わかってるって!きっと出て来るころには夕日も綺麗だろうし♪』

「上手く行けば良いけどな。」

『そうじゃなきゃ困る!』

「…麻衣子は好きな人いないの?」

…………。

『……なんで?』

時が止まったようだった。

「なんとなく。ただ気になるから。」

なんとなく?
ただ気になる?


そう言ってあの時みたいに騙すの?





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