最悪な初恋



私は二人に気付かれないように精一杯、平然を装った。


お化け屋敷は怖かった。みんなで叫んでびびって。
私ははしゃぎ過ぎってくらいはしゃいだ。

はしゃいでないと、さっきのドキドキを思い出してしまいそうだから。


「怖かったね!」

『うん!不意打ちばっかりで嫌!』

お化け屋敷を出るころにはリュウへのドキドキは落ち着いていた。


「そろそろ帰る?」

『もうそんな時間?』

「じゃあ最後に観覧車乗っとく?」

緊張した豊くんの隣でリュウが提案。ナイスアシスト!

『良いね♪乗ってから帰ろうよ!』

「そうだね!みんなで乗ろう?」

何も知らない優衣がはしゃぐ。

豊くん頑張って!と、目で合図する。

豊くんは小さく頷いた。大丈夫!両想いだから♪

みんなで観覧車の列に並んだ。




「あれってリュウじゃない?」




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