最悪な初恋



麻衣子Side



何かに乗る気にもなれず、リュウと遊園地を歩いていた。
観覧車はあと30分はかかる。

終わったら時計台で待ち合わせの予定。
二人で時計台の近くのベンチに座った。


「喉渇かない?」

『渇いた。』

「俺も、ジュース買って来る。何が良い?」

『じゃあ…オレンジジュース。』

「わかった。待ってて。」

リュウは近くの売店へ行ってしまった。

…やっぱりちょっと、二人きりは気まずい。
私はさっきは何が言いたかったんだろう。
何ムキになっちゃったんだろう。


リュウが笑顔で戻って来た。



「…リュウ?やっぱりリュウだ♪」





……………。





ナンデ?ナンデココニイルノ?





私はこの場所から逃げ出したかった。





< 120 / 194 >

この作品をシェア

pagetop