最悪な初恋



「高校のクラスメートにいたんだよ。」

「デブで不細工なのが!」

リュウが黙ったので男達が話し出した。

笑いながら。

『どうして黙ってたの?クラスメートってだけなのに。もしかして…付き合ってたとか?』

「いや…。」

「ありえないから!」

「本当にな!」

「だってそいつ、リュウに騙さ…」

「止めろよ!」

調子に乗った男の声をリュウが遮る。

『どうしたの?』

「………うん。」

『…そろそろ優衣たちが戻って来るからあっちのベンチで待ってる。』

全員が《その話は禁句》って空気を出したから私は離れたベンチへ向かった。

意気地無し。

ふざけんな。

笑ってんじゃねぇよ。



私の心は、怒りと憎しみが支配していた。





< 123 / 194 >

この作品をシェア

pagetop