最悪な初恋
「麻衣子?」

声がしたので振り向くとリュウがいた。

『どうしたの?』

「どうしたの?は、こっちのセリフ。授業も出ないで何やってんの?」

どうやらサボった私を探しに来てくれたらしい。

『ありがとう。何でもないよ?』

作り笑顔で答えた。

「ごめん。俺のせいで」

リュウの顔色が変わり、急に抱きしめられた。

「俺が昨日目立つ行動しなければ、麻衣子が嫌な気持ちになる事は無かったのに…でも、これからはちゃんと俺が守るから。」


ビックリした。抱きしめられた事、俺が守るって言ってくれた事。だけどとにかく私は嬉しかった。



私はリュウに惹かれている自分に気がついた。


きっとこの想いは止められないだろう。


初恋のブレーキのかけかたは知らない。
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