最悪な初恋



お会計の時に財布を出そうとしたら止められた。

「男だからここは格好つけさせて。」

『…じゃあお言葉に甘えて。』

先に外へ出てリュウを待った。
変わってないな。
デート代は基本出す主義の所。
引き出しの中のネックレスもプレゼントしてくれたよね。

「お待たせ。」

『ううん。ご馳走様でした。』

昔を思い出していたらリュウが店から出て来た。


『自転車あるし、2ケツして帰ろっか?』

「良いけどどうせ漕ぐの俺だろ?」

『当たりじゃん!はい乗った乗った♪』

私もリュウもとにかくはしゃいだ。



私の初めての2ケツの相手はリュウ。
私の初めてのほとんどはリュウなんだ。



その事が、嬉しいような悲しいような。
複雑な思いだった。






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