最悪な初恋


俺の家に着き、入ろうとすると麻衣子のケータイが鳴った。
麻衣子の顔が強張る。
きっとストーカーからだろう。

『ごめん、ちょっと電話。』

「じゃ先に中入ってる。」

『ごめんね。』

今にも泣き出しそうな顔。きっとすごく怖いんだろう。
早く犯人を捕まえなきゃだな。

中に入り外の声に集中する。


『もしもし』

《なんで男の部屋に行くの!?》

『飲み会に誘われただけ。二人きりじゃないから。優衣も豊くんもいるわ!』

《…今回は許してあげる。》

『じゃあ切るから。』

《浮気はダメだからね!》

だから付き合ってない!
笑顔をつくり、みんなのいるリュウの部屋に入った。



会話の内容からして、やっぱりあの電話はストーカーからだったか。





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