最悪な初恋



いつまでたっても答えは出ない。

直接本人に聞く訳にもいかない。

どうすれば良い。



翌日、学食でコーヒーを飲む麻衣子に話しかけた。

「おはよ。」

『おはよう!』

「これ、ずっと渡し忘れてた。」

そっとテーブルの上に手帳を置く。

『…!?…なんでリュウが持ってるの?』

「ストーカーに襲われた時に拾ったんだ。ごめんな?今まで忘れてて。」

『ううん。ありがとう。ずっと探してたの。…もしかして、中見た?』

「見てないよ?何、見られちゃまずい物でも入ってた?」

やっと考えついたのは手帳を直接返す事。

少しかまをかけてみた。

『当たり前でしょ?女の手帳の中身は秘密だらけなんだから!』

動揺はしないか。

じゃあこれは?

「そう言えば、麻衣子って地元どこなの?」

『何言ってるの?東京だよ。』

「じゃあ高校は?」







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