最悪な初恋
「前にメールで好きな人がいるって言ったじゃん?」

『うん。』

知ってるよ。私がどんなにショックだったかわかんないでしょ?

「あれ…実は麻衣子なんだ。」


…嘘。だって彼は長野リュウで、クラス一番の人気者。そんな彼が私を好き?冗談でしょ?

『冗談はやめて。』

普通に考えてありえないでしょ?

「冗談なんかじゃない!本気で好きなんだ。だから…付き合って下さい。」


思考停止。

でも一つだけ確かなのは、私が長野リュウを好きだと言うこと。

断る理由なんて無い。


『私も好きです。』

「キスしても良いですか?」

『…はい。』

ゆっくり目を閉じる。


…………………?


何秒たってもキスされる気配はない。不思議に思って目を開けた。


信じられない光景が目に入った。


目の前には私をイジメているクラスメート達。


リュウは笑っている。


『なんで?なんでみんなが?どうしてリュウは笑ってるの?』

「まだわからない?騙されてるんだよ♪」

『騙されてる?』



笑いながらリュウは話し出した。
< 17 / 194 >

この作品をシェア

pagetop