最悪な初恋


翌日、調べ物があると言う優衣と別れ、私は講義までの時間を学食で過ごしていた。

なんか気持ちが少し楽になった。


「おはよう。」

リュウが爽やかに現れた。

『なんか今日は爽やか好青年って雰囲気だね。』

「あっ、俺はいつも爽やかですから。」

『そうですか。』

「それより麻衣子って今日時間ある?」

『あるけど、どうして?』

「弁当箱を取りに来てもらおうかと思って。」

『わかった。じゃあまた後でね?』

「うん。また後で。」



きっとリュウは私が内山麻衣子だと確かめたいんだ。
そうじゃなければわざわざ家になんて呼ばない。
ついにこの日が来たんだ。
私がずっと思い描いていた日が。


だけど、私の心はまた曇ってしまった。




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