最悪な初恋
過去と未来
二人でテーブルを挟んで座った。
リュウが入れてくれた紅茶の湯気をただ黙って眺めていた。
何を話せば良いのかわからない。
「あっ、弁当箱返すね。」
『…うん。』
再び沈黙が流れる。
「あの…さ、」
『………?』
「これだけはちゃんと言いたいんだ。」
『…何?』
“内山麻衣子だろ?”とか“お前最低だ”とか言われるのかな?
「好きだ。付き合ってほしい。」
!?!?!?
なんで?どうして?
「ただ伝えたくて。返事は急がないから。」
照れたように言う。
それは、いつか私を騙した時の表情に似ていた。
私の心に黒い感情が一気に広がる。
『リュウ、何言ってるの?』
自分でも驚くような冷たい声が部屋に響いた。
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