最悪な初恋
「麻衣子?」
『そうだよ。私は麻衣子。
内山麻衣子。
あなたが高校の時賭けの対象にした、
デブでブスな内山麻衣子だよ?』
「………。」
『…どうして黙るの?』
何も言わないリュウに腹が立った。
『ねぇ!なんで黙ってるの?
本当は気付いてたんじゃないの?
もしかして、別人だと信じたかった?
残念ね。私は正真正銘の内山麻衣子。
嘘だと思うなら思い出話しでもしようか?
話したきっかけは私がイジメられてるのをあなたが助けてくれた。
二人で初めて…行った場所は渋谷。
…ペアのネックレスを買ったわ。
…教室で告白され…て、キスされる…かと思ったら…賭けだ…ってネタばらし。
賭け…の景品…はファミレスのドリンクバー!
どう?合ってるでしょ?』
涙が溢れていた。
感情がおさまらない。
私はあの時、リュウが本当に好きだった。
あの時の記憶を鮮明に思い出していた。
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