最悪な初恋

ありがとう

高校2年・春


私の名前は内山麻衣子。


いつものようにクラスメートにからかわれていた。周りの人も笑っている。
イジメってやつだ。理由は簡単、ブスでデブで大人しいから。
もう慣れっこだ。そんな時、不意に声がした。


「ガキじゃねえんだからいい加減止めろよ」


…クラスの人気者、長野リュウだ。格好良くてスポーツ万能。頭が良いのに面白くて優しい。だから男女問わず人気があり、当然モテる。

実は私も気になっていたりする。口が裂けても言えないけど。

いつの間にかクラスメートは去って行った。

「大丈夫か?」

『うん…ありがとう。』

正直訳がわからなかった。今まで誰も助けようとした事なんて無い。
なぜ急に?しかも長野リュウが?
頭の中はハテナマークでいっぱいだ。

「無理すんなよ」

そう言って長野リュウは教室を出て行った。


嬉しい!まさか助けてくれる人がいるなんて!しかも長野リュウが!この時の私はまさに有頂天だった。


この先何が起こるかも知らずに。
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