最悪な初恋
再会
再会
足音が近づいて来る。
振り向かなくてもわかる。
この声は忘れもしない。
「紹介ってお前あんまり食堂来ないじゃん!」
『誰?』
「あれ?麻衣子会った事ないっけ?」
『うん。』
有るよ。
「豊と同じ学科の長野リュウです。」
知ってる。
あなたがいるからこの大学を選んだの。
会える日を楽しみにしてたんだから。
『初めまして。内山麻衣子です。』
「初めまして。」
本当は初めましてなんかじゃない。
やっぱり気付かない。
ここで気付かれても困る。
「こいつ麻衣子ちゃん紹介しろってうるせぇの!」
「授業中にも言ってたらしいよ♪」
「お前らうるさい!麻衣子ちゃんって内山って言うんだよね?」
「あれ?知らなかった?」
長野リュウは一瞬顔を曇らせた。
…バレた?
『そうだけど。どうして?』
「いや、知り合いに同姓同名がいるから。」
『そうなの?偶然だね。』
目の前にいるよ!
『そろそろ行かない?』
「そうだね。じゃあまたお昼に♪」
そう言ってバラバラに講堂へ行く。
やっと会えた。
長野リュウ。
豊くんの親友ってのには驚いたけど。
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