最悪な初恋
HR終了。

今日もやっとみんなにバカにされ笑われる一日が終わった。
さっさと帰ろう。こんな場所からいなくなろう。
そう思いながらカバンを手に席を立つ。


「よし!麻衣子、これからデートだ!」

長野リュウの一言で教室は静まりかえった。
他の子が《リュウ何言ってんの?》と聞いている。

同感。何言ってんの?


「いいから早く行こうぜ」

そう言い私の手を引き、玄関へ向かう。
すれ違う人がみんな見てる。そりゃ人気者の長野リュウがブスでデブな女と手を繋いで歩いてるんだから仕方ない。

私は恥ずかしさで真っ赤になった顔を必死に隠すしかなかった。


初デートの相手が憧れの長野リュウだなんて、誰が想像していただろう!

この時の私は有頂天だったんた。
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