最悪な初恋
…目の前には109。来ちゃったよ109!

『ねぇ!ここ入るの?』

「当たり前じゃん♪」

私が戸惑ってる間にさっさと長野リュウは109の中に入って行った。

私には一生縁の無い所だと思っていた。
店内には私が着られないような細い洋服。

明らかに場違いで私は恥ずかしくなってしまった。

長野リュウはそんな私に気付かずお店の前を通り過ぎて行く。

恥ずかしい。自然と歩くペースが遅くなり、ついには止まってしまった。

「どうした?つまんない・」

『つまんないってか、私が着れる服なんてないから…。』

「なんだ、そんな事?」

そんな事ですって?私にとっては拷問だよ!イジメだよ!

「渋谷って言ったらやっぱり109でしょ?見学ってやつだよ!」

『見学ですか。』

まぁ、無理矢理連れて来られなかったら一生来る事は無かっただろう。

長野リュウに少し感謝だ!けど…やっぱり人が多い。少し疲れてきちゃった。

「人多いな。出よっか?」

エスパー?心の中が読めちゃうの?
私は黙って頷いた。きっと長野リュウは優しい人なんだ。

彼の一言で幸せな気持ちになれた。
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