恋砂糖を一粒召し上がれ
恋砂糖を一粒召し上がれ
『花菜先輩』
き、きた…!!!
この甘くて低めの声…
声の持ち主が誰だか分かり、振り向けずにいる私-…
『先輩、無視はダメですよ』
そう言い終わると同時に何者かの温もりを背後に感じた。
…抱きしめられてる…?
突然の抱きつき行為。
でも声の持ち主と出会った日から毎日されている行為でもある。
『あ……あの……』
『花菜先輩、今日もいい匂い。
この甘い匂い、シャンプー?
それとも柔軟剤?
どっちにしてもすっげー安心する』
昨日も一昨日も言われた台詞。
この行為が、この言葉に、私がどれだけ彼にドキドキさせられてるか、彼はきっと知らないだろう。
< 1 / 25 >