恋砂糖を一粒召し上がれ
『……………平気……』
私がそう答えると、彼は抱きしめる腕の力を強め、更に私の事をきつく抱きしめた。
『先輩、男はさ…ちょっと言葉が足りないんだ。
ただそういうことがしたいんじゃない、好きだから、相手のことが好きだから心だけじゃなくて体でも繋がりを求めちゃうんだよ。
そうしたらもっと二人の絆が強まる、そんな気がするんだよ。
バカでしょ?絆を強めたいだけなのに、言葉が足りないせいで女の子を傷つけたり、不安にさせたり……。
俺だって男だし、本音を吐けばそうなりたい、けどさ…
俺は先輩のこと、本気で好きだから、そういうのなくていいよ?
キスとかそういうのなくていい……だから俺の傍に居てよ?
俺の隣で幸せな顔を見せてよ?
そしたら俺は他に何も望まないから…』
きっと、私の不安を取り除こうとしてくれているんだー…
この人なら、私は信じてもいいかもしれない。
『もう背後から抱きつくこともしないの?』
『先輩が嫌ならやめる。
……ってか、俺、先輩にめっちゃ嫌われるようなことしてたってこと?』
めっちゃ嫌われる………
『賢人君なら、いいよ…?
私、ドキドキして…苦しかったけど。
いつも幸せだったから……』