恋砂糖を一粒召し上がれ




『ねぇ、先輩?
 俺ってただのつきまとってくる、憎たらしい後輩?

 それとも、想いをぶつけてきてくれる、可愛い後輩?

 それとも……』




彼はそう言って、私から一度離れる。

そして私の腕を掴み、体を反転させる。

彼と私、向き合うようになると、彼はクスッと笑った。




『先輩、顔真っ赤。
 なんでそんなに顔が赤いの?』



顔をやたら近付けてきて、私の目を見つめながら問いかけてくる態度に少しのイラつきとドキドキが最頂点に達する。




『先輩って可愛いよね。
 俺に“勉学に励め”って言ったり、俺の言動ですぐ顔を赤くさせたり…。

 なんでそんなに可愛いの?
 そんな可愛いことばっかしないで。

 俺、花菜先輩のこと離せなくなるから』





彼の言葉が嘘じゃないこと、私は知ってる。


彼の想いが本気だってこと、私は知ってる。




でも、恋をすることが怖い-…



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