この道の先に…
幸輝は1人になった部屋で考えていた。    
           
大好きな梨紗を、大切な存在の梨紗を、自分の手で守ることができなかったと、苦しんでいた。 
           
この日、幸輝からの電話はなく、メールの返信もなかった。      
           
           
もうダメだと思った時に走ってきてくれた幸輝はかっこよくて、梨紗を守るために殴られている幸輝の背中は頼もしかった。          
           
そして、梨紗のことを思って流した涙。    
初めて見る幸輝の涙に驚いたけれど、それほど大切に思ってくれていることを実感させられる涙で、嬉しささえ感じた。 
           
怖い思いをしたけれど、それよりも嬉しさのほうが勝っていた。

次の日バスケ部は休みで、一緒に帰ることになっていたけど、幸輝からの連絡がなかったから、HRが終わると3年5組の教室の前で待っていた。
           
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