この道の先に…

風が吹き抜ける瞬間

心地いい天気が続く5月。          
           
梨紗は廊下で愛子とバイバイをした。     
愛子は少し先にいた絵里と良平にもバイバイと言って、純のいる6組の方へ歩いていった。   
           
「お待たせぇ!」   
           
梨紗は、絵里と良平の所に小走りで駆け寄る。
           
「この3人ってのもあんまりないよな」    
歩きだしながら良平が言った。        
           
「晴美はデートだからねぇ〜。拓也は部活だし」
梨紗は、窓の外の澄み渡った5月の空を見ながら答えた。       
           
晴美は今日、修治と約束があるからHRが終わったらすぐに帰ると   
朝学校に来る時に言っていた。        
           
靴に履きかえたあと、絵里が         
           
「ねぇ!体育館寄ってかない!?拓也バスケやってるんでしょ」    
と提案した。     
           
特に急いで帰る理由もなかった3人は、体育館に向かうことにした。
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