この道の先に…

見えない出口

それから3日が経った。
梨紗は毎日お見舞いに行っている。      
           
検査の結果、悩に異常がないことがわかり安心した。         
           
記憶の混乱も少しずつ戻ってきたけど、梨紗のことはわからないままだった。         
           
無理に思い出させるようなことはしないようにと言われたので、どうすることもできない。

私は幸輝の彼女なんだよ。思い出して。    
           
幸輝の顔を見ると、その言葉を言いたくてたまらなかった。
           
「お大事に」
           
そう言って病室をあとにした。外に出て、幸輝の病室の窓を見上げてつぶやいた。       
           
「19歳の誕生日おめでとう」
           
楽しく過ごすはずだった日。こんな誕生日になるとは思ってなかったよね。
           
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