この道の先に…
外は夕方になっていた。
帰ろうと思っても、
もしかしたら1分後に思い出すかもしれない。
そんなことを考えてしまって、いつも帰るタイミングがつかめなかった。
明日また来ようと割り切り、病室を出ると廊下で幸輝の担当の医師に会った。
いろいろ聞いてみようと決めて、先生と話しを始める。
「あの…このまま記憶が戻らないなんてことないですよね」
怖くて聞けなかったことを思いきって聞いてみた。
「可能性はゼロではありません。何かをきっかけにフッと戻ることは充分考えられます。ただそれが1週間後なのか、1カ月後なのか、1年後なのか…。このままずっと戻らないということも…」
「最初はいろいろ混乱してたみたいだけど今は元通りで、私のことだけわからないなんておかしくないですか?」
「強く思っていた部分だけが記憶から抜けてしまうというのが、よくあるケースですね」
そんなドラマで聞いたような話しが本当にあるものなの?
私のことを強く思ってくれていたことが、こんな形で証明されても全然嬉しくないよ。
帰ろうと思っても、
もしかしたら1分後に思い出すかもしれない。
そんなことを考えてしまって、いつも帰るタイミングがつかめなかった。
明日また来ようと割り切り、病室を出ると廊下で幸輝の担当の医師に会った。
いろいろ聞いてみようと決めて、先生と話しを始める。
「あの…このまま記憶が戻らないなんてことないですよね」
怖くて聞けなかったことを思いきって聞いてみた。
「可能性はゼロではありません。何かをきっかけにフッと戻ることは充分考えられます。ただそれが1週間後なのか、1カ月後なのか、1年後なのか…。このままずっと戻らないということも…」
「最初はいろいろ混乱してたみたいだけど今は元通りで、私のことだけわからないなんておかしくないですか?」
「強く思っていた部分だけが記憶から抜けてしまうというのが、よくあるケースですね」
そんなドラマで聞いたような話しが本当にあるものなの?
私のことを強く思ってくれていたことが、こんな形で証明されても全然嬉しくないよ。