この道の先に…
放心状態で家に帰ると良平から電話がかかってきた。
涙をこらえながら事情を話すと今から行くと言ってくれた。
良平はすぐに梨紗の家に来た。　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　
良平の顔を見たらなんだか少し安心した。

「辛かったよな…」

その言葉を聞いたらどんどん視界がぼやけていった。
　　　　　　　　　　　
そして、こらえることなく思いきり泣いた。
あんなに声を出して子供のように泣いたのは久しぶりだった。
泣いて泣いて、泣き叫んだ。


悲鳴にも似た声で泣きじゃくる梨紗を、良平は黙って見ていた。
　　　　　　　　　　　
梨紗は泣き疲れて眠ってしまい、目が覚めると夜になっていた。隣には、良平から連絡をもらった晴美がいる。

「梨紗を１人にはできないってさ。でも自分が泊まることはできないからって私に連絡がきたの」

「ありがとう…」
　　　　　　　　　　　
この日は晴美が朝まで一緒にいてくれた。

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