この道の先に…
次の日、朝起きてカーテンを開ける。雲ひとつない冬晴れの天気だった。
           
今日も寒そうだな。
           
梨紗は支度を始める。 
           
「こんなもんだったかな」
           
いつもより薄めに化粧をしながらつぶやいた。
          
家を出て向かったのは、1カ月前にも行った美容院。 

背中の真ん中くらいまで伸びた長い髪を、肩にかかるくらいの長さまでバッサリ切った。    
横に流していた前髪も切っておろし、明るい色もダークブラウンにトーンダウンした。     
           
家に帰ると制服に着替えて鏡の前に立ってみる。
           
そこには、高校に入学した頃のような梨紗の姿が映っていた。
           
これは、最後の賭けだった。         
           
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